三線のちんだみ(調弦)の方法:クリップチューナーを使って調弦する
当店の名前にもなっている「ちんだみ」とは、沖縄の方言で「調弦」のことをいいます。
ちんだみは、三線を始めたばかりの方々にとっては少々難しく、よく最初に出会うハードルです。
三線のちんだみの最終的な目標・理想は、『耳で聞いて合わせるようになる』ことです。
でも、いきなりそれは難しいですよね。
そこで、まずは、チューナーを使って合わせる方法をご紹介します。
チューナーを使って合わせる
早速、当店で販売しているクリップチューナーを使って調弦の仕方を説明します。
チューナーは、クリップ部分を三線に挟んでチューニングするので、周りの音に影響されず便利です。
■商品の詳細→クリップチューナー
ちんだみ(調弦)の種類とは?
上の表が、ちんだみの調弦一覧表です。
三線には大きく分けて、3つの調弦のパターンがあります。
本調子、二揚げ、三下げです。まずは、基本の曲で一番よく使う、水色で塗られている「本調子」の調弦をマスターしましょう。
左の番号は、高さを表しています。数字が大きければ高く、小さければ低くなります。
三線は、この曲はこの高さで歌わなければいけない、という決まりはないので、ご自分の声の高さに合わせて調弦していきます。
男性も女性も歌える真ん中の高さは「4」になりますので、まずは赤で囲まれている「4」で合わせてみましょう。
「4」に合わせる場合は、チューナーを使って
女弦(細い弦) → C
中弦(中の弦) → F
男弦(太い弦) → C
といったアルファベットの記号に合わせていきます。
このアルファベットの記号は、ドレミファソラシドがアルファベットに置き換わったものです。
←こちらの図で音のイメージができるでしょうか?
○印が「本調子」「4」の高さ
○女弦 → C(ド:高い音)
○中弦 → F(ファ)
○男弦 → C(ド:低い音)
クリップチューナーで実際にチンダミしよう!
クリップチューナーを三線の天の部分、または、棹に挟みます。
チューナーによって挟みやすい場所があるので、挟みやすい場所を見つけてみてください。
三線を弾く時と同じように構えて、チューナーの画面が見やすいように角度を調整します。
ボタン操作
当店で取り扱っている初心者用のクリップチューナーは、右脇にあるボタンで電源を操作します。
下にスイッチをおろすとON、上にあげるとOFFになります。
カラクイを回して、チューナーの音階に合わせる
●女弦を合わせる
それでは、本調子の「4」の高さで合わせることを想定して、合わせてみましょう。
まず、女弦(細い弦)から合わせます。
女弦 → C(ド:高い音)
女弦をバチで弾き音を出すと、クリップチューナーの画面に音階名が表示されます。
少し強めにバチで弦を弾きましょう。
音階表示が「C」になるように女弦(細い弦)を調整していきます。
例えば:音階表示が「B」という表示がでたら、「B→C」と「C」に音をあげるため、カラクイを時計と逆に回して、弦を巻きます。
以下の画像のように、画面上部の縦線が0より左にある場合は、低すぎるので、線が真ん中のゼロの位置にいくまで、カラクイを時計と逆に回せしながらあげていきます。
同様に、「C#」や「D」が出てしまった場合、上げすぎなので、カラクイを時計まわりに回して下げていきます。
調弦が「C」を通り越して上げすぎた場合は、以下の画像のように、画面上部の線が0より右にいきます。
まとめると、
目盛りが画面の左寄りを指し、ライトが赤色の場合は音が低いということです。
目盛りが画面の右寄りを指し、ライトが赤色の場合は音が高いということです。
三線の弦をゆるめたり、きつくしたりしながら、チューナーの目盛りの線がセンターを指すように調整します。
正確にチューニングされると写真のように、目盛りの線が真ん中の0(ゼロ)を指し、ライトが緑色に光ります。
これで女弦のチューニングはOKです。
●中弦を合わせる
中弦 → F(ファ)
次に、中弦も同じように調弦していきます。
音階を「F」に合うようにカラクイを回しながら調整し、チューナーの目盛りがセンターになるように中弦を調整します。
女弦同様に、高さを上げたい場合は、カラクイを時計と逆に回し、高さを下げたい場合は、カラクイを時計回りに回します。
●男弦を合わせる
男弦 → C(ド:低い音)
男弦(太い弦)も同じように調弦します。
音階を「C」にし、チューナーの目盛りがセンターになるように男弦を調整します。
注意点としては、女弦(細い弦)と音階は同じド(C)ですが、男弦(太い弦)は低い音のC(ド)です。
間違えないように気をつけてください。
お疲れ様でした。これで、「本調子」「4」の高さでのちんだみ(調弦)ができました。
「合」「四」「工」(開放弦:男弦・中弦・女弦)を弾いて確認してみましょう。
おまけ
ちんだみ(調弦)した三線で「本調子」の曲を弾いて唄ってみましょう。
もし自分の声のキーと合わない場合は、音の高さを変えてちんだみ(調弦)しましょう。
少し低くしたいなら「3」の高さ
女弦 → B(シ:高い音)
中弦 → E(ミ)
男弦 → B(シ:低い音)
となります。
曲によって唄いやすい、気持ちよく唄える音の高さが違ってくるはずです。
それぞれのベストを探して、「唄三線」を楽しんでくださいませ。