A:唐船ドーイ【三線の練習編】
エイサーなどでおなじみの『唐船ドーイ』(とうしんどーい)。早弾きだから難しいと敬遠してませんか?確かに、やさしいものではありませんが、弾けると楽しくなる事間違いなしです。(*^▽^*)
まずはチャレンジしてみませんか?
まず、はじめに
ここでご紹介する練習方法は、ちんだみ工工四百選集の工工四を使って行うものとして説明しています。
ちんだみ工工四百選集
ちんだみ百選集の工工四の特長
一般的な工工四はひとマスに1つの音が書かれていますが、ちんだみの工工四ではひとマスに1つの音に限りません。
マスの間に書かれていたり、ひとマスに2つの音が記入されていたりします。
それは、ひとつのマスがリズム的な音の区切りと捉えているからです。
今回練習する『唐船ドーイ』の場合は、ひとマスに2つの音が記入されています。
やはり、「早い」曲だということがわかりますね。
早い曲が弾けるようになるコツ
- 「早弾きの曲は難しい」というイメージ、思い込みをなくすこと。
- できるかぎり『ゆっくり弾くこと』を意識して練習すること。
まずは唄なしで弾く練習
◎POINT:【できるかぎり『ゆっくり弾くこと』】
【A1】 ゆっくり弾く
ひとマス内の2つの音を弾いて、次のマスに移るときには『ひと息つく(1秒以上のつもりで)』
例えばこんな感じ
タン タン (ふ〜)
このひと息のあいだに、頭の中では『次は「五 七」だな』と次の音を意識する。
【A2】 うたもち部分を練習
[A1]の要領でうたもち(イントロ:矢印下向から、矢印上向まで)を繰り返し練習する
【A3】 全部を通して演奏
[A2]が上手く出来るようになったら、同じく[A1]の要領で全部を通して演奏
指が上手く動かないところがありませんでしたか?
次の[A4]と[A5]で部分的な練習をしましょう。
【A4】 部分的な練習
押さえ指の難しいポイント:三行目下部分(唄の「ワカサ」の部分)
ここでは、左手の押さえ指 老(中指)と尺(小指)を同時に押さえます。
上老 尺老 尺合
「老」のときに「尺」を一緒に押さえ、「老」を離さず指をそのままにして「尺」を弾く。
※「老」と「尺」の間は”ひと息”ついてくださいね。
繰り返し練習してもできない場合は、基本の型がくずれている可能性が高いです。(×_×)
【A5】 部分的な練習-2-
[A4]ができたら、前後を含めて弾く
3マス上の「五尺(ユイ)」から三行目下の「尺合」まで
あくまでも、【できるかぎり『ゆっくり弾くこと』】です。ゆっくりですよ〜!!
【A6】 全部を通して演奏
[A5]まで出来たら、同じく[A1]の要領で全部を通して練習
◎ココで注意!!◎
この段階までくると最初の【できるかぎり『ゆっくり弾くこと』】を忘れがちです。
できるかぎり『ゆっくり』です。早くならないように注意しましょう。
ココまで出来たら、いよいよ唄いながら弾く練習をします。
唐船ドーイは唄が入るとまた新たな「壁」が登場します。 それを乗り越えるポイントをおさえましょう。(*^^)v
B:唐船ドーイ【唄入り練習編】
唐船ドーイは、唄のはじめの方にタイミングが難しくなる所があります。(~_~;)
ですから、まず、そのタイミングの練習からです。
【B1】 タイミングの練習
唄の音程は気にせず、タイミングを練習
このときは、唄が棒読みのようになってもかまいません。
難所は(工工四の2行目中央付近)の 『マ』
ト シンド イ サン テ 『マ』 ン イイ サンバ エ
ここから指が活発に動きはじめるため、唄と一緒に弾くと、 バラバラになってしまう感じで「やっぱり難しい〜(><)」となってしまいがち。
でも大丈夫。
その練習方法は、
- ト(四七)から唄いながら弾きはじめマ(四五)で止める
- 1の部分を繰り返し練習する
『マ』で指の動きが活発になるタイミング覚えましょう! - 慣れてきたら、二行目全部を繰り返し練習
【B2】 唄いながら全部を練習
[B1]ができるようになったら、全体を通して練習
ここでも、唄の音程は気にせず、棒読みな感じでかまいませんよ。
でも、ゆくっくり弾いてください。
【B3】 スピードアップ -1-
ここから、いよいよ早く弾く練習です。
まずは、
ひとマスの中の【2つの音】を出来るだけ早く弾く
マスとマスの間のひと息は、忘れずに入れ、唄も音程を気にせず一緒に歌いましょう。
こんな感じ↓
タン タン (ふ〜) だったところを→ タ タン (ふ〜)
【B4】 スピードアップ -2-
[B3]が出来るようになったらさらにスピードアップ
マス内の【2つの音】、さらに【マスとマスの間】を徐々に早くする
こんな感じ↓
タ タン (ふ〜) だったところを→ タ タ (ン)
ここまで来ると早く弾くことができるようになっているはず。
もし、上手くいかない場合は、ゆっくり弾く、次のマスに移るときには『ひと息』つくを繰り返してみてください。 きっと上手くいくはずですよ。
【B5】 唄をしっかりマスターする
最後の仕上げはやっぱり『唄』です。
沖縄三線は、「うたさんしん」なので、やっぱり唄はしっかりと!デス。(^。^)
お手本となる唄を聴きながら、しっかりと唄えるように唄だけで練習しましょう。
※ちんだみ工工四は基本形の間合いとなっていますが、唄者や流派によっては、演奏の間合いと節回しが違うことがあります。
最後に!!!『ゆっくり弾くこと』を意識して練習するのが、『早弾』のコツ!!!
あせらずに徐々にスピードアップしてくださいね。